年齢によって気管支鏡検査の適応が制限されることはないが,高齢者では心


HSR は重大な有害事象の一つであり,すべての抗腫瘍薬により生じ得る。HSR は薬剤の投与中あるいは終了直後に生じることが多いが,数日後に生じることもあり,患者や家族に説明しておく必要がある。HSR はinfusion reaction(IR)とallergic reaction(AR)に分類される。IR はタキサン製剤,リポソーム化ドキソルビシン,抗体薬等の非プラチナ製剤で生じることが多く,最初の数サイクルのうちに生じ,発赤や発疹等の軽度な症状を生じるが,投与速度を下げると軽快し,投与を中止すると消失することが多い。パクリタキセルによるHSR の予防には前投薬が必須とされ,投与30 分前にデキサメタゾン20 mg,ラニチジン50 mg を静注しジフェンヒドラミン50 mg を経口投与するshort-course premedicationによるHSR の頻度は,以前の後方視的検討では4.7%,最近の前方視的検討では18.5%と報告されている(ラニチジンから発がん性物質である N-ニトロソジメチルアミンが検出され,2019 年10 月より使用中止となった。代わりにファモチジン20 mg が用いられる)。またドセタキセルに関する前方視的検討では,ステロイドを前投薬として投与して11.5%にHSR が生じていた。パクリタキセルの前投薬に関する前方視的試験においてIR と考えられる軽度のHSR が発生した際,投与中断による症状消失後,51 例全例や10 例全例で再投与が可能であったと報告されている。


筋虚血を伴ったり,呼吸機能が低下している症例が多いためより慎重に検査前

一方,AR は,軽度な症状で終わるものもあるが,呼吸困難,全身性の蕁麻疹,嘔吐,腹痛,下痢,血圧の変化,胸部痛,背部痛,腰痛など,IR よりも重篤かつ多彩な症状をきたしやすく,その症状は投与を中止した後にも持続することが多い。プラチナ製剤によるHSR の多くはAR であり,カルボプラチンによるものが代表的で反復投与を行った場合に生じることが多く(6〜21 回,平均8 回),12〜19%でみられる, 。プラチナ製剤によりHSR を生じた際,単純な再投与ではHSR が再発する可能性が高い。プラチナ製剤の再投与は,他に代替治療がないか劣っている場合にのみ行われ,脱感作療法あるいは別のプラチナ製剤への変更が考慮される。脱感作療法の投与方法は定まっておらず,施設ごとに様々なプロトコールで行われている。カルボプラチンによるHSR 56 例(うちグレード1, 2 は53 例)あるいは皮膚試験陽性73 例の計129 例における後方視的検討で,ステロイド薬と抗ヒスタミン薬の前投薬を行った上で4 段階希釈による脱感作療法(30 mL 生食に1/1,000 希釈で30 分間で投与 → 50 mL 生食に1/100 希釈で30 分間で投与 → 100 mL 生食に1/10 希釈で30 分間で投与 → 250 mL 生食に残りを入れて90 分間以上かけて投与)を行ったところ,脱感作療法中に35 例(27%)でHSR が認められ,うちグレード3, 4 は3 例,死亡は1 例であった。さらに,濃度と投与速度により12 段階に分けて,15 分ごとに増量していく方法も報告されている。また,カルボプラチンによる軽度のHSR の後に他のプラチナ製剤への変更を試みたケースシリーズでは,HSR の再発はネダプラチン投与15 例中4 例(27%)(うちグレード 3 は2 例),シスプラチンでは38 例中5 例(13%)や24 例中6 例(25%)で認められ,また,シスプラチンへの変更で重篤なHSR が生じて死亡した例も報告されている。このように,プラチナ製剤の再投与は重篤なHSR を生じ得るため,その必要性の有無について十分に検討した上で,再投与する際は救命処置の体制を整えた上で行うべきである。

一方,腹腔内温熱化学療法(HIPEC)の有効性を検証したOVHIPEC 試験では,Ⅲ期でNAC 後IDS による残存腫瘍が1 cm 以下の245 例において,IDS 時に腹腔内40 度でシスプラチン100 mg/m2 を90 分灌流で投与するHIPEC 群と,HIPEC なし群を比較し,HIPEC 群では有意にPFS(HR 0.66, 中央値14 カ月vs. 11 カ月),OS(HR 0.67, 中央値46 カ月vs.34 カ月)ともに改善した。しかし本臨床試験は比較的小規模であること,化学療法抵抗性の組織型がHIPEC なし群に多かったこと,施設間でHIPEC 群の治療成績に差があったこと,ランダム化が手術開始時になされていたこと,HIPEC 群では術中にPD と判断されて3 例が除外されていたことなど,多くの問題点が指摘されており,HIPEC は海外のガイドラインでも推奨されていない。なお,本邦ではHIPEC は保険承認されておらず,現段階では十分に計画した臨床試験としてのみ行い得る。

[PDF] 術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン

これらの問題点を解決すべく,Ⅱ〜Ⅲ期でPDS により肉眼的残存腫瘍が1 cm 以下となった1,560 例を対象としたGOG252 試験が行われた。本試験では,dose-dense パクリタキセルiv+カルボプラチンiv+ベバシズマブiv 群,dose-dense パクリタキセルiv+カルボプラチンip+ベバシズマブiv 群,dose-dense パクリタキセルiv+シスプラチンip+ベバシズマブiv 群の3 群を比較したが,生存期間は同等であった(PFS 中央値:27 カ月vs. 29 カ月vs.28 カ月, OS 中央値:76 カ月vs. 79 カ月vs. 73 カ月)。したがって,ベバシズマブ投与の条件下ではIP 療法の有用性は否定的である。なお,本邦では抗腫瘍薬のIP 療法は保険承認されておらず,カルボプラチンip はパクリタキセルiv との併用療法として,先進医療により実施可能である。したがって,IP 療法を行う際は,この実施体制のある施設において,リスクとベネフィットについての十分な説明と同意のもとに行うことが妥当と考えられる。現在,日本人を中心として,Ⅱ〜Ⅳ期の卵巣がん(初回手術時の残存腫瘍径を問わない)を対象とし,ベバシズマブ投与なしのdose-dense TC レジメンを用いて,カルボプラチンIP 療法の有用性の有無を調べるGOTIC-001/JGOG3019 試験が行われており,本試験の結果が待たれる。

卵巣癌の腹腔内病変に対して高濃度の化学療法薬剤を直接接触させることが可能なIP 療法についてRCT が行われてきた。SWOG8501/GOG104 試験ではⅢ期(残存腫瘍径2 cm 以下)546 例において,シスプラチンiv+シクロホスファミドiv 群と,シスプラチンip+シクロホスファミドiv 群を比較し,IP 群でOS の有意な延長を認めた(HR 0.76, 中央値41 カ月vs. 49 カ月)。GOG114/SWOG9227 試験ではⅢ期(残存腫瘍径1 cm 以下)462 例において,パクリタキセルiv+シスプラチンiv 群と,カルボプラチンiv+パクリタキセルiv+シスプラチンip 群を比較し,IP 群でPFS(HR 0.78, 中央値22 カ月vs. 28 カ月)とOS(HR 0.81, 中央値52 カ月vs. 63 カ月)の有意な延長を認めたが,有害事象も高度であった。GOG172 試験ではⅢ期(残存腫瘍径1 cm 未満)415 例において,パクリタキセルiv+シスプラチンiv 群と,パクリタキセルiv+シスプラチンip+パクリタキセルip 群を比較し,IP 群でPFS(HR0.80, 中央値18 カ月vs. 24 カ月)とOS(HR 0.75, 中央値50 カ月vs. 66 カ月)の有意な延長を認めた。しかし,上記3 試験に関しては,純粋に投与方法を置き換えただけの比較がなされていない試験が含まれること,IP 群の毒性が過剰なこと,現在の標準治療であるパクリタキセル+カルボプラチンで行われた試験ではなく,さらにベバシズマブの投与もされていないことが問題点として挙げられる。

8.グリコペプチド系薬〔VCM/テイコプラニン(TEIC)〕の予防投与 a.適応

本項目において,概ね,軽度はグレード1〜2,重度はグレード3 以上(参照)を示すが,グレード2 でも症状が重いものは,重度として取り扱うべきである。重度のHSR が生じた場合,同一あるいは同系統の薬剤の再投与のエビデンスは限られているが,タキサン製剤による重度のHSR に関しては,アレルギーや脱感作療法の専門家のグループから報告がある。パクリタキセルによる重度のHSR を認めた22 例で10 段階脱感作療法を行い,1 例で重度のHSR が認められたと報告された。一方,パクリタキセルによる重度のHSR を認めた10 例でドセタキセルへ変更したところ,9 例で重度のHSR が認められた。また,重度のHSR のために,パクリタキセルからドセタキセルへ変更した8 例中3 例,ドセタキセルからパクリタキセルへ変更した9 例中4 例で重度のHSR が再発した。重度のHSR が生じた場合の同一あるいは同系統の薬剤の投与は,NCCN ガイドライン2019 年版ではアレルギーの専門家に相談せずに行うべきではないとされ,ESMO ガイドラインでは行うべきではないとされている。重度のHSR を認めた場合の再投与は,産婦人科専門医や婦人科腫瘍専門医が標準医療として行うものではないと考えられる。

パクリタキセルを毎週投与するdose-dense TC 療法は卵巣癌に対する初回治療における標準治療の一つであるが( 参照),JGOG3016 試験のサブグループ解析において,明細胞癌や粘液性癌の組織型においてはdose-dense TC 療法は従来のTC 療法と比較して予後を改善することができなかった。また,初回治療においてTC 療法に血管新生阻害薬であるベバシズマブを上乗せする治療法(TC 療法+ベバシズマブ併用/維持療法)も標準治療であるが( 参照),ICON7 試験におけるサブグループ解析で,明細胞癌においてベバシズマブの上乗せによる有効性が認められなかった。したがって,明細胞癌や粘液性癌は新規治療法においても治療抵抗性が高いことが示唆される。

年齢が 5 歳以下または 50 歳以上,過去 6 ヵ月以内の発症,5 分以

イリノテカンが明細胞癌にin vitro で有効であることが報告され,以降,本邦ではCPT-P 療法(イリノテカン+シスプラチン)が明細胞癌に対し積極的に施行されてきた。そこで,JGOG において,Ⅰ〜Ⅳ期で進行期決定開腹手術(staging laparotomy)を受けた明細胞癌患者を対象とし,術後CPT-P 療法とTC 療法とを比較する国際共同第Ⅲ相RCT(JGOG3017/GCIG 試験)が実施された。667 名の患者が登録されたが,2 年無増悪生存率はCPT-P 療法群,TC 療法群それぞれ73.0%,77.6%(HR 1.17)と有意な差を認めず,また2 年全生存率についても,それぞれ85.5%,87.4%(HR 1.13)と有意な差を認めなかった。この試験結果から,明細胞癌に対しCPT-P 療法の有効性は否定され,従来通り,TC 療法が明細胞癌に対する標準治療と考えられる。

一方,ⅠC 期や明細胞癌の取り扱いに関しては,一定の見解が得られていない。術中被膜破綻によるⅠc 期はⅠa・Ⅰb 期と比べて予後に差がないとする報告と,予後因子であるとする報告, がある。また,staging laparotomy で確定し,術後化学療法が施行されたⅠc 期はⅠa・Ⅰb 期と予後に差がないとするメタアナリシスがあるが,ここでも術後化学療法が省略できるかどうかは不明としている。明細胞癌は高悪性度として扱われ,Grade 分類の対象とならないため,一般的には術後化学療法の省略条件とならない。2,325 名の米国National Cancer Database を用いたⅠ期の明細胞癌症例の後方視的解析では術後化学療法により予後を改善したとの報告があるが,米国SEER のデータベースを用いた後方視的解析では,Ⅰ期の明細胞癌に対する術後化学療法の有効性が示されなかった。


一方,Grossi らは WHO クラス I または II,6

卵巣癌の進行期分類にはFIGO 分類が用いられ,外科的検索による病理組織学的診断が重要である。卵巣癌Ⅰ期と思われる症例に対する基本術式は単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術,大網切除術とされるが,後腹膜リンパ節転移,腹膜播種の有無を確認する進行期決定開腹手術(staging laparotomy)を行い,より詳細・正確な進行期診断が非常に重要である。Staging laparotomy による進行期診断を行うことが,術後化学療法の必要性に影響を及ぼす。術後に化学療法を行っていないⅠa〜Ⅱa 期Grade 1,67 症例の後方視的検討で,再発は不十分なステージングの群からのみの4 例であり,staging laparotomy によって診断が確定した場合は腹腔内細胞診陽性のⅠc 期を除いて化学療法を省略できる可能性が示されている。また,staging laparotomy によって確定したⅠa・Ⅰb 期かつGrade 1, 2 の40 例に対して術後化学療法を施行せずに経過観察した前方視的検討では,再発は明細胞癌の1 例のみであったことから,この報告では明細胞癌以外は術後化学療法が省略できるとしている。前方視的なRCT でも,staging laparotomy で確定したⅠa・Ⅰb 期かつGrade 1, 2 の場合,経過観察群と術後化学療法群で予後に差がなかったことから,このサブグループは術後化学療法を省略できる可能性があるとした。このように,早期卵巣癌においてはstaging laparotomy を行った上で進行期を正確に診断することが重要とされており,どこまで確実にステージングしたかということ自体が再発のリスク因子となる。

分間歩行距離 500 m 以上(50 歳未満)または 380 m

SOLO-1 試験では,BRCA1/2 変異陽性の進行卵巣癌で初回治療後にCR/PR となった症例を対象として,PARP 阻害薬であるオラパリブの維持療法がPFS を改善することが報告された( 参照)。本試験のサブグループ解析では,初回化学療法終了時にPR であった症例のPFS は,オラパリブ投与によりHR 0.19 と改善した。したがって,そのような場合はオラパリブ使用が推奨される。なお,BRCA1/2 変異の有無を問わず行われた,PAOLA-1 試験(ベバシズマブ併用でのオラパリブ維持療法)VELIA 試験(TC+ベリパリブ後にベリパリブ維持療法)PRIMA 試験(ニラパリブ維持療法)のいずれもPARP阻害薬の投与によりPFS の延長が認められ(, 参照),それらの試験でも初回化学療法終了時にPR であった症例を含んでいた。PAOLA-1 試験ではHRD の場合にはベバシズマブに対するオラパリブの上乗せ効果が示されたものの、subgroup 解析では部分奏効例の有効性は示されなかった。ただし、部分奏効例にはHRD のない症例が多く含まれており、それが交絡因子となっている可能性がある。一方、PRIMA 試験ではHRD の有無に関わらず、部分奏効例でのニラパリブの有効性が示された。

以上(50 歳以上),右房圧 10 mmHg 以下,心係数 2.5

早期卵巣癌における術後化学療法の有効性を検討した2 つの大きなRCT が,ACTION 試験とICON1 試験である。ACTION 試験はⅠa 期,Grade 1 以外のⅠ期症例を術後化学療法群と経過観察群に割り付け,術後化学療法の有効性を検討した第Ⅲ相RCT である。448 名が参加し,staging laparotomy が行われた患者は34%であった。全体としてOS に差はなかったものの,RFS においては術後化学療法群が予後を改善することが示された。特に不十分なステージングで診断された症例においては,RFS, OS ともに化学療法群で有意に改善していた。それに対し,十分なstaging laparotomy がなされた症例においては,術後化学療法の有効性は認められなかった。ICON1 試験は,Ⅰ期症例を対象として,術後化学療法群と経過観察群とにランダム化比較した臨床試験である。477 名が参加し,ステージングが不十分な症例がACTION 試験より多く含まれたが,OS とRFS のいずれにおいても,術後化学療法群が有意差をもって予後を改善した。この2 つの試験を合わせた解析で,5 年生存率は経過観察群74%に対して術後化学療法群は82%であり,術後化学療法群の方が予後良好であった。さらに,ICON1 試験の10 年フォローアップ結果が2014 年に発表された。Ⅰ期の卵巣癌を高リスク群(ⅠA 期 Grade 3,ⅠB〜ⅠC 期 Grade 2 または3,すべての明細胞癌),中リスク群(ⅠA 期 Grade 2,ⅠB 期またはⅠC 期 Grade 1),低リスク群(ⅠA 期 Grade 1)に分類し,高リスク症例においては,RFS, OS いずれにおいても術後化学療法群の方が予後を改善したが,それ以外の患者においては術後化学療法の有効性は認められなかった。2015 年に発表されたCochrane Library のメタアナリシスでは,Ⅰ期の卵巣癌を上記と同様に高・中・低リスク群に分類し,高リスク群では術後化学療法の有効性は認められるものの,中・低リスク群においては有効性が認められなかった。以上のエビデンスから,staging laparotomy によって確定したⅠA 期 Grade 1, 2,ⅠB 期かつGrade 1 の非明細胞癌症例においては,術後化学療法を省略することを提案する。

対象となる患者の年齢:卵巣癌妊孕性温存手術に関する報告1,3,5,6,9─13,19)の

GOG218 試験とICON7 試験では,TC 療法とベバシズマブ同時併用に続くベバシズマブの単剤維持療法が,TC 療法と比較して有意にPFS を改善すると報告された(, 参照), 。ベバシズマブに関して,本CQ の内容(初回化学療法後の残存腫瘍に対する追加治療の有用性の有無)を評価した臨床試験は存在しないが,ICON7 試験では,手術後薬物療法開始時に評価可能病変を有する 症例でのbest response がPR あるいはSD であったのは,ベバシズマブ群257 例中81%,コントロール群263 例中89%であったため,初回化学療法終了時点で腫瘍が残存していた症例が多く含まれていたと考えられる。したがって,初回化学療法時にベバシズマブ併用を行い,化学療法終了時に腫瘍が残存している場合,PD になるまではベバシズマブの単剤維持療法が推奨される。なお,ベバシズマブを化学療法と併用し維持療法を行わない治療法のエビデンスはなく,また,ベバシズマブを併用せずに化学療法を行った後にベバシズマブ維持療法を行うことは,保険診療上認められておらず,エビデンスもない( 参照)。

Kozlowska K, Nunn KP, Rose D, Morris A, Ouvrier RA, Varghese J.

2019 年には, BRCA1/2 変異の有無を問わず卵巣癌Ⅲ・Ⅳ期の初回治療例を対象としたPARP 阻害薬投与のRCT として,PAOLA-1 試験(ベバシズマブを含むレジメン後のオラパリブとベバシズマブ併用の維持療法)VELIA/M13-694/GOG3005 試験(TC +ベリパリブ後のベリパリブ維持療法)PRIMA/ENGOT-OV26/GOG3012 試験(プラチナ併用化学療法後のニラパリブ維持療法)の3 試験の結果が報告された。前二者については初回薬物療法の項目に記載した( 参照)。PRIMA 試験はPDS により残存腫瘍が肉眼上認められなくなったⅢ期症例を除外し,かつ,初回化学療法後にCR または最大腫瘍径2 cm 以下のPR となった患者を対象とし,ニラパリブによる維持療法の効果を調べたものである。上記の3 試験は,治験組み入れ時の患者背景や試験デザインが異なるため,HR を単純に比較することはできないが,いずれも主要評価項目であるPARP 阻害薬投与群におけるPFS 延長が認められた(HR はそれぞれ 0.59, 0.68, 0.62).上記のうち、オラパリブと ベバシズマブの併用療法はHRD の症例に対して保険適応となり、ニラパリブはBRCA1/2 変異やHRD の有無に関わらず保険適応となった。

[PDF] 川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関する ガイドライン

これまで,卵巣癌初回治療時にベバシズマブ投与が有用であることを示すRCT が2 つ報告された( 参照)。 GOG218 試験ではベバシズマブをTC 療法と併用後,維持療法として16 サイクル投与された群でPFS の延長を認めた(HR 0.72)が,併用療法のみの群ではPFS の延長を認めなかった。ICON7 試験ではベバシズマブをTC 療法と併用の後,維持療法として12 サイクル投与され,PFS の延長を認めた(HR 0.81)。ベバシズマブに関して,本CQ の内容(完全寛解後の維持療法の有用性)を評価した臨床試験は存在しないが,ICON7 試験では,初回手術後の薬物療法開始時に評価可能病変がなかったのはベバシズマブ群764 例中507 例,コントロール群764 例中501 例であり,かつ,6 カ月時点で増悪が認められたのは両群とも5 %未満であったことから,初回化学療法終了後に完全寛解の 状態で維持療法が行われた症例が多く含まれていたと考えられる。したがって,ベバシズマブをTC 療法と併用後に完全寛解となっている場合に,維持療法としてベバシズマブを用いることは推奨される。なお,ベバシズマブを化学療法と併用のみで用いて維持療法を行わない治療法のエビデンスはなく,また,ベバシズマブを併用せずに化学療法を行った後にベバシズマブ維持療法を行うことは,保険診療上認められておらず,エビデンスもない。

1) Crook D, Collins AJ, Rose AJ : A comparison of the effect ..

問診では,再発に伴う腸閉塞,腹水貯留,胸水貯留などによる症状である腹痛,嘔気・嘔吐,腹部膨満感,腹部腫瘤感,息切れなどの有無を確認することが重要である。内診は基本的な診療手技であるが,再発卵巣癌を理学的所見のみで発見できることは非常に少ない。再発卵巣癌80 例を後方視的に検討したところ,再発時点では51%が何らかの理学的所見を有していたが,すべての症例でCA125 の上昇もしくは再発に関連する自覚症状を有しており,理学的所見が発見の契機であったものは3 例(3.8%)のみであった。しかし,骨盤内に再発した場合は内診で89%の症例が腫瘤触知,腹水,腫大したリンパ節そして直腸浸潤などの所見を認めるとの報告もあり,非侵襲的な手技として実施することには意義があると考えられる。

年齢にかかわらず,新規に発症した頭痛を診断する最初のステップは二次性頭痛を除 ..

2011 年以前には,既存の化学療法薬剤を用いた維持療法についての大規模比較試験は,パクリタキセルを用いたGOG175 試験 GOG178 試験 と After-6 試験,トポテカンを用いたAGO-GINECO 試験 とMITO-1 試験 があった。これらの中でGOG178 試験(n=296)のみPFS の改善を認めたが,他の試験ではいずれもPFS,OS ともに改善を認めなかった。2013 年のCochrane review でも,卵巣癌初回治療において,既存の化学療法薬剤を用いた維持療法はPFS,OS をともに改善せず,有害事象の発現頻度は維持療法施行群で有意に高いことが報告された。その後,GOG212 試験として,Ⅲ・Ⅳ期卵巣癌1,157 人を対象に,経過観察群,パクリタキセルによる維持療法を4 週ごとに12 サイクル行う群,ポリグルタミン酸塩パクリタキセルによる維持療法を4 週ごとに12 サイクル行う群の3 群でRCT が行われ,PFS 中央値はそれぞれ13.4 カ月,18.9 カ月(HR 0.78),16.3 カ月(HR 0.85)と化学療法群において延長を認めたが,主要評価項目であるOS は中央値がそれぞれ54.8 カ月,51.3 カ月,60.0 カ月と有意差はなく,グレード 2 以上の有害事象は化学療法群で多いことが報告された。これらの結果から,既存の化学療法薬剤を用いた維持療法は奨められない。