保存治療を行った膿瘍形成虫垂炎と Uncomplicated appendicitisの比較
急性虫垂炎に対しては手術が治療の基本になります。感染を起こしている虫垂を切除して感染源を排除することが目的です。一方で、抗生物質(抗菌薬、抗生剤)を用いた治療も有力です。俗に「散らす」と呼ばれるもので、抗生物質が感染を抑えることを期待した治療です。
急性虫垂炎患者のうち、複雑性虫垂炎(壊疽性/穿孔性/膿瘍形成性 ..
例えば、虫垂が腫れ上がり破裂するリスクがあると考えられる場合には手術を選ぶことになりますし、入院することができない状況で軽症の急性虫垂炎であれば飲み薬の抗生物質を用いて治療することも可能です。
に対して抗生物質を用いるとき、感染の原因となっているに有効なものを用いる必要があります。そのため、急性虫垂炎の原因となる細菌を見定めなければなりません。急性虫垂炎は腸の中で起こる感染ですので、腸の中にいる細菌が起炎菌となります。例を挙げます。
虫垂炎などの市中腹腔内感染症でもルーチンで培養と感受性検査を行うべきである ..
これらが急性虫垂炎の原因となる主な細菌です。また、件数は少ないですが、やエルシニアという細菌も急性虫垂炎を起こすことがあると言われています。
急性虫垂炎に対して手術を行わない場合は、これらの細菌に有効と考えられる抗生物質を用いることが大切です。以下が治療に用いられる抗生物質の例です。
軽症の虫垂炎は、3~4日間の抗菌薬の点滴により治療を行います。
合併症のない小児の急性虫垂炎に対する非手術的治療の奏効率は65~95%と幅があり、 適切な抗菌薬治療に関する推奨もいまだ確立されていない。
急性虫垂炎で入院し、 AMPC/CVAによる治療を受けた5~15歳の小児患者:104例
クランブラン酸を投与している. 解析1として,対象症例をAA群とUA群に分け,
急性虫垂炎に対して手術を行うことが多いですが、(抗生剤、)を用いた治療も有力です。ただし、抗生物質を用いた場合、治療後に再発することがあります。再発後の治療と合わせて説明します。
また、手術を行うことになっても手術前後に抗生物質を用います。明らかに合併症(虫垂の破裂、膿瘍の形成、バイタルなど)がなければ、用いる抗菌薬はセファゾリンが適していると考えられています(Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases 8th edition)。これを用いることで創部感染などの手術後の感染症トラブルを減らすことができます。
アモキシシリン・クラブラン酸; レボフロキサシン+メトロニダゾール; シプロフロキサシン+メトロニダゾール
虫垂炎再発後に切除術を受けた15例のうち、 腹膜炎、 穿孔、 骨盤膿瘍を呈した患者はいなかった。
アモキシシリンを投与するということですが,このあたりはいかがでしょうか ..
AMPC/CVAによる非手術的治療は、 小児の急性虫垂炎に対して手術の代替治療となる可能性がある。 これらの結果を確認するために、 現在進行中の研究の結果を待つ必要がある。
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20年前までは急性虫垂炎の治療の第一選択は手術でしたが、近年は抗菌薬で保存加療する症例の方が増えてきました。そこでER医師が必要な手術か保存加療かに関して臨床のギモンに答える3つの論文を読んでみました。
アモキシシリンと6.4 mg / kg /日のクラブラン酸塩分2
単純性急性虫垂炎の治療におけるアモキシシリン+クラブラン酸による抗生物質治療の効果は、緊急虫垂切除術よりも劣っており、現在でもgold standardは虫垂切除術であることが、フランス・アントワーヌ・ベクレール病院のCorinne Vons氏らの検討で明らかとなった。急性虫垂炎は、急性の腹痛で入院した患者の中で手術を要する頻度が最も高い疾患だという。4つの無作為化試験をはじめいくつかの検討で、単純性急性虫垂炎は抗生物質治療で治癒が可能であり、1次治療となる可能性もあることが示唆されている。Lancet誌2011年5月7日号掲載の報告。
研究グループは、単純性急性虫垂炎の治療における抗生物質治療(アモキシシリン+クラブラン酸)の緊急虫垂切除術に対する非劣性を検証する非盲検無作為化試験を実施した。
2004年3月11日~2007年1月16日までに、フランスの6つの大学病院からCT検査で診断された18~68歳の単純性急性虫垂炎患者が登録された。
これらの患者が、アモキシシリン+クラブラン酸(体重90kg未満:3g/日、90kg以上:4g/日)を8~15日間投与する群あるいは緊急虫垂切除術を施行する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、介入後30日以内の腹膜炎の発生率とした。
243例が登録され、123例が抗生物質治療群に、120例は虫垂切除術群に割り付けられた。介入前に早期脱落した4例を除外した239例(抗生物質治療群120例、虫垂切除術群119例)がintention-to-treat解析の対象となった。
30日以内の腹膜炎の発生率は、抗生物質治療群が8%(9/120例)と、虫垂切除術群の2%(2/119例)に比べ有意に高かった(治療群間差:5.8例、95%信頼区間:0.3~12.1)。
虫垂切除術群では、事前にCT検査による評価を行ったにもかかわらず、予想外にも手術時に119例中21例(18%)が腹膜炎を伴う複雑性虫垂炎であることが判明した。
抗生物質治療群120例のうち14例(12%、95%信頼区間:7.1~18.6)が30日以内に虫垂切除術を施行され、この14例と30日以内に追跡を中止した4例を除く102例のうち30例(29%、同:21.4~38.9)が30日~1年までの間に虫垂切除術を受けた。前者のうち急性虫垂炎であったのは13例(再発率:11%、同:6.4~17.7)、後者では26例であった(同:25%、18.0~34.7)。
著者は、「急性虫垂炎の治療におけるアモキシシリン+クラブラン酸による抗生物質治療の緊急虫垂切除術に対する非劣性は確認されなかった。現在でも、緊急虫垂切除術は単純性急性虫垂炎の治療のgold standardである」と結論し、「CT検査に関する予測マーカーが同定されれば、抗生物質治療が有効な患者の選出が可能になるかもしれない」と指摘している。
(菅野守:医学ライター)
医療用医薬品 : サワシリン (サワシリンカプセル125 他)
Q2.1:合併症の無い急性虫垂炎の成人患者に対して保存的治療は安全で効果的か?
[PDF] アモキシシリン水和物含有製剤の「使用上の注意」の改訂について
Q6.1:蜂窩織炎や膿瘍を伴う複雑性急性虫垂炎に対して早期の虫垂切除術は遠隔期の虫垂切除術に対して適切か?
アモキシシリンの効果は?使用上の注意や飲み合わせについても解説
合併症をもたない急性虫垂炎は抗生物質による治療も有力な選択肢です。合併症とは虫垂に穴があいていたりの溜まりがあることです。
【急性虫垂炎に対する手術と抗生物質治療の比較】
合併症のない急性虫垂炎のうち約70%の人は抗生物質を使って根治することができます。一方で約30%の人は抗生物質の効果が弱く治療が不成功となり手術が必要になります。
急性虫垂炎に対する抗生物質治療 vs
Q6.2:保存的治療が成功した後の急性虫垂炎患者に対して遠隔期の外科的治療は常に適応となるか?
合併症のない急性虫垂炎には抗菌薬より切除術
急性虫垂炎が再発すると腹痛などの症状が現れます。抗生物質による治療後の再発率はどのくらいなのでしょうか。
虫垂炎に起因する腹部放線菌症と診断した。肉芽組織を完全に
虫垂は、通常右下腹部にあり、大腸の始まり部分の盲腸にぶら下がっている小指くらいの腸のことです。
虫垂炎は、この虫垂の内部で細菌が増殖して炎症が起こった状態です。
典型的な症状は「最初胃(みぞおち)の辺りが痛くなり、その後徐々に右下腹部に痛みが移動、吐き気や発熱が起こってきた」といったものです。
重症化すると虫垂の壁が破れて穴が開くことがあり、これを「穿孔性虫垂炎」といいます。虫垂が穿孔すると溜まっていた便や膿が腹腔内にもれて腹膜炎などの合併症を起こし、重篤化することがあります。
急性虫垂炎は急性腹症(最後にまとめ)の中で内科、外科を問わずに日常的に遭遇しうる頻度の高い疾患であり、その生涯罹患率は7-14%と、権威のあるジャーナルの文献(Flum DR : Clinical practice; Acute appendicitis; appendectomy or the “antibiotics first” strategy. N Engl J Med. 2015; 372 : 1937-1943 )が記しています。
10~20歳代に最も多く、加齢に伴い減少していくとされてきましたが、最近は高齢化の進行に伴い、高齢者症例が増加しており、しばしば腹膜炎による重篤化を認め、私が非常勤として勤務する急性期病院では集中治療を要する症例も認めます。
単純性虫垂炎への抗菌薬治療は有効で安全
現在の治療法として、外科手術によって虫垂を取り除く方法(虫垂切除術)または、薬剤によって炎症を抑える方法(抗菌薬治療)があること、外科手術には開腹手術と腹腔鏡下手術があることを情報共有します。
[PDF] 急性虫垂炎:虫垂切除か「抗菌薬ファースト」か?
「たかがアッペ、されどアッペ」
“アッペ”とは虫垂炎(appendicitis)のこと
というフレーズは多くの外科医が口にし、外科手術書にも記述が残る。
虫垂炎診断や手術難易度の奥深さを象徴する言葉であります。
私が外科医として働き初めた頃(30年前)には 右下腹部痛で腹膜刺激症状(腹部を圧迫してその圧迫を解除した際に起こる激痛)があれば昼でも夜でも「即緊急手術」という指導をされてきました。
それは昭和戦前の大学病院の外科病棟の入院患者は半数以上がアッペによる腹膜炎患者であったという経験によるものです。
1935年慶應大学茂木らの報告(第36回日本外科学会宿題報告「急性虫垂炎」)によると「急性虫垂炎の死亡率0.39%は米国1.52%より低いが、腹膜炎死亡率は日本2.93%に対して米国0.16%である」と述べ、急性虫垂炎が穿孔し腹膜炎を発症した場合には極めて重篤な状態に陥り、命を失う症例が3%もあるという事実である。」という事実は、注目を浴び、腹部所見で虫垂炎の診断が付けば即手術、と言った時代背景があります。